July 21, 2006

コーヒーピープル:デイビッド ショマー氏

schomerデイビッド ショマー氏。
エスプレッソ愛好家の間で知らない人はいない、というぐらい有名な方ですね。
カフェヴィヴァーチェのオーナーです。




□ちょっと変わったコーヒーラバー□

デイビッド ショマー氏 50歳
家族には、妻と12歳と10歳になる2人の息子がいます。

目つきの鋭いめがねをかけた元エンジニアは、1988年に車を店代わりにしてコーヒービジネスを始めました。

元エンジニアさん。そう、彼はちょっと変わった経歴の持ち主です。
オープン当時、彼はさほどコーヒーに対して大いなる愛情を持っていた訳ではありませんでした。彼は米空軍やボーイング社で技術者として何年も働いていて、プロのフルート奏者になりたいという目的の為に一時的にコーヒービジネスを始めたに過ぎなかったのです

移動カートは、音楽用語の”ヴィヴァーチェ(快活な、生き生きした)”を”コーヒーに対する高揚”した気持ちを表すために社名に用いました。

何年もの間、移動カートでのビジネスは利益が上がりませんでしたが、それとは反対にエスプレッソへの情熱が高まり、フルート奏者になる情熱に取って代わってしまったのでした。

「コーヒーが僕にとっての芸術に、アートになってしまった。もう夢中になってしまったんだよ。」と彼はヴィヴァーチェの新しい店舗でのインタビュー中、そう答えました。


そしてショマー氏は、コーヒーにおける音楽との大きな違いを発見します。それは、北イタリアにコーヒーの抽出方法を学ぶための旅に出ていた時でした。その時に、気付いたのです。コーヒーの世界はきちんとした科学的な調査が欠けているということに。そしてまさにその点は技術者として活躍してきたショマー氏が一役を担えるものだったのです。

彼は少しシャイな面があるせいか過小評価されがちのこともありますが、こと良いコーヒーを生み出すための要素とは何か、といった話になると、とても感情豊かに、かつ饒舌になります。彼はまた、コーヒーの伝道者でもあり、彼の持っている技術についての執筆は本、2本のビデオを始め、数えきれない程です。

そして2001年のある記事が彼を捉えます。抽出時の湯温を一定に保つことによって、エスプレッソの味がより甘くなりえるということを見つけた時でした。

□妻との二人三脚□

ジュネーブ サリバン。ショマー氏の妻でありビジネスパートナーである彼女は、ヴィヴァーチェはおそらく3店舗以上の展開をする予定はないと言います。キャピタルヒル(シアトルの地名でヴィヴァーチェの本店がある)の2件と新規オープンするもう1店舗だけ。なぜなら、彼女はビジネスの規模が拡大するにつれて、夫の才能が浅く広くなってしまうのではないかと危惧しているからでした。

「私と夫は才能を持った人についてよく話をするの。そういった点では、デイビッドはコーヒーに関する才能を持っているわ。そしてデイビッドという人材は唯一のものなの。彼に与えられた時間は有限なのよ。」

サリバンとショマー氏は、大道芸をしている時に出会いました。彼はフルートを演奏し、彼女はベリーダンスを踊ってたそうです。

サリバンは、長い事ヴィヴァーチェのシステムメンテナンスや財務や在庫管理、その他庶務仕事をこなしていました。ショマー氏がエスプレッソを入れ、研究し二人三脚が始まります。
ヴィヴァーチェは、こうした妻の多大なるサポートもあり、今や企業としてしっかりした体制を作り上げています。
実際、例えば、豆の注文が入ると、焙煎したその日に焙煎工場から出荷することが可能になっています。

しかし、彼らの展望や望みは、企業としてしっかりした体制を整えることだけではありません。
あくまでもヴィヴァーチェが“居心地の良い場所、幸せになれる場所”であることが大切なのです。

「私達は大規模なビジネスをするためにここにいるわけじゃないのよ。楽しむためにいるの。」と妻サリバンは言います。


□世界中から集まる信奉者たち□

ショマー夫妻のこうした姿勢、努力は、国際的に多くの人々を魅了しています。

アメリカ国内だけでなく、カナダ、韓国、オーストラリアや遠くはアラブ諸国からもショマーの教えを受けたいと多くのバリスタやカフェオーナーがヴィヴァーチェにやってくるという事実がそれを表しています。

何しろ、シアトルでも有名なヴィヴァーチェの競合店であるカフェヴィータのオーナーですら、ショマー氏の信奉者となっているぐらいです。

ヴィータのオーナーも、「我々は、ショマー氏の(抽出)方法を採用したという事実について何のためらいもない」と言います。「彼は今日のシアトルと世界中におけるエスプレッソのあり方について責任を負っている一人だよ。」との発言もありました。

ヴィヴァーチェは、豆の卸もやっています。
そうした取引先からフランチャイズ化してほしいとの要求もあるようですが、ショマー夫妻は行わないようです。

店を拡げる考えはあまりないけれど、エスプレッソの素晴らしさは拡げたいと考えるショマー夫妻は、セミナーなどを積極的に開催して、良いエスプレッソの抽出の仕方、美しいラテアートの描き方などの方法を伝授しています。

そのうちショマー氏のエスプレッソの日本語訳も出版される予定もあるようです。ますます広がるショマー氏の世界、でしょうか。

ちなみに、彼の開催するセミナー、3日間コースだと約10万円。
ご興味のある方、いかがでしょう?(笑)


ショマー氏は、若いバリスタ達にとっては尊敬の対象のようです(当たり前ですね)。コンペティションなどにショマー氏が審査員で加わると会場からは大きな拍手が沸き起こります。細身のショマー氏ですが、その内面はとても太く大きな道が広がっているんですねー。


カフェヴィヴァーチェの様子は、また相棒がシアトル探訪記を書くと思うので、そちらでご紹介したいと思います。

参照:シアトルタイムス


masonbar at 23:49 │Comments(5)TrackBack(0)コーヒーピープル 

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この記事へのコメント

1. Posted by KG96    July 22, 2006 21:24
暑中お見舞い申し上げます。

コーヒーとは関係ありませんが、今度鰻でも食べに行きましょう(^^)

ここのリンク先、特に目黒界隈に興味があります。
http://plaza.across.or.jp/~seiya-k/
2. Posted by MATTO    July 29, 2006 20:56
相棒さんに、黒槻さんの所でお話させていただいた者です。
ブログ、完読させていただきました!
とっても参考になりました。今後の更新楽しみにしています!
3. Posted by coffee_freaks    July 30, 2006 00:40
KG96様

コメントありがとうございます。
毎日暑いですねー。暑さに弱い私はかなりバテ気味です。。
ウナギなんて、、一体どれぐらいの間食べてないのだろうか、、って感じです(笑)

塾の皆さんと繰り出しますかねー。

暑い時はフレッシュなコーヒーを飲んで、気分をしゃきっとさせないとダメですね(^-^)
4. Posted by coffee_freaks    July 30, 2006 00:43
MATTO様

ネット上ですけれど、初めまして!
黒槻さんのところでお見かけしました。
コメント、どうもありがとうございました!!
とても嬉しいです。
しかも、完読していただいたなんて…光栄です。
(ちょっと恥ずかしい気持ちですが 照)

ここのところ色々とバタバタしていて更新がかなり滞ってしまっているのですが、近々またアップいたしますので、よろしければまたお立寄り下さい。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
5. Posted by 相棒    July 31, 2006 00:07
日記の滞りは実は私のせいなんです。
はい。
この後はシアトル探訪記が続く予定です。

今しばらくお待ちください。

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