July 09, 2006

コーヒーピープル:トーネ エリン リアバーグさん(2)

今週も出稼ぎウィークとなり、更新が滞りました。
前回の続きです。

□ワールドバリスタチャンピオンシップに思う事□

wbc_bannerトーネさんがワールドバリスタチャンピオンシップ(以下WBC)の仕事に関わるようになってWBCは7回目の大会を今年スイスで迎えました。

当然ですが7回も重ねると、参加国の数も増えますし、同時にそれを審査する人間の数もより多く必要になります。

彼女は個人的にWBCにおける改善点は2点あると言います。

1つ目は、WBCの審査員、ジャッジのトレーニングプログラムと認定方法を改善すること。(WBCで審査できる人は国際審判員と呼ばれます)

現行の方法は、WBC大会2日前にジャッジ向けワークショップ(ルールなどの説明会)と筆記試験と味覚試験が行われ、そこで認定されると、審査の実技トレーニングを行って2日後の大会に審査員として参加します。
もちろん前回の大会で合格している国際審判員は試験を受ける必要はありません。筆記または味覚のどちらか一方は合格していた人は、ここで再度試験を受け、合格すれば2日後の大会にジャッジとして参加できます。

トーネさんとしては、大会2日前の1回だけでなく、年間を通じて何回か開催すべきだと言います。
ジャッジの数が不足している事は事実であり、もし新しいジャッジが必要であれば、必須であると考えています。

ジャッジという存在は、ダメなコーヒーはダメ、良いコーヒーは良い、と認識できなければなりません。それができるようになるには、継続してコーヒーを味わい、訓練された舌を持つ必要があります。
そのため、彼女は何回かきちんとしたワークショップを開催し、そうした訓練の機会を与える必要があるのではないか、と考えているのです。



2つ目。
参加者であるバリスタのケアをもっと行うこと。
年々、参加国数が増加しているWBCですが、当然ですが、そのうちの何カ国かは初めての参加になります。

lamarzocco_newそうすると、持ってくるべき道具が分からず持ってこなかったり、大会で使うラマルゾッコのマシンを生まれて初めて触る、とかグラインダーの操作が分からない、と言った事が本当に起きるそうです。
しかも、大会には自分のコーヒー豆を持ってくるのですが、それすら持ってこないという基本中の基本が分からなかったり。

もちろん、WBC側では、そうした情報や大会のルールや規定について全てインターネット上で公開しています。
しかし、そうした情報の伝達も、自国で国内大会を開催する主催者や指導者の意識にも大きく依存してしまうため、なかなか思うように情報が伝わらないようです。
インターネット上で公開していても、自国の指導者が自国のバリスタにちゃんと確認するように、と促し、教育しなければバリスタにうまく伝わりません。

こうしたコミュニケーションのあり方も改善し、参加者が大会終了後、自国に帰って、後進のバリスタ達に参加する価値のある大会だった、と言ってもらって、後に続くバリスタが出でくるようにしなければなりません。
そうでなければ、バリスタの世界も広がらず、ひいてはスペシャルティコーヒーの促進も止まってしまうからです。

□トーネさんの役割□

WBCは非営利団体として存在しており、各国が参加していますので、公平性や中立性、透明性を保つ必要があります。
トーネさんは理事の一人として監視役も行いつつ、マーケティングを専門とする人間として、消費者へスペシャルティコーヒーをどう伝えるべきか、という橋渡し役であると認識しています。

スペシャルティコーヒーの世界も認知してもらうためには、マーケティングツールがまだまだ必要な世界で、その一つがWBCやラテアート大会といった大会になるわけです。
大会は、メディアの関心を集めたり、消費者の認知度を高めたり、こうした情報を交換するための場の一つなのです。

こうした事も全ては多くのコーヒーピープルの協力なしには実現しえないことを彼女はとても強く認識しており、見えない鎖、すなわちみんなの今協力で実現されているんだと言います。全てはより良いスペシャルティコーヒーの世界のために。

**

バリスタの経験を持たないトーネさんは、逆により冷静に今のスペシャルティコーヒー業界に必要なものは何なのかを見極めることができるのかもしれません。
彼女の活躍はまだまだ終わりがないようです。
来年の日本での大会にもきっと登場し、周囲を明るい雰囲気に包んでくれるのでは、と思います。

masonbar at 15:59 │Comments(0)TrackBack(0)コーヒーピープル 

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