July 05, 2006

コーヒーピープル:トーネ エリン リアバーグさん(1)

先日バリスタジャムについてご説明しましたが、このコンセプトを作った方についてご紹介したいと思います。

telその方の名前は、トーネ エリン リアバーグさん。ノルウェー人です。
首都オスロに本社を構える「ソルバーグ&ハンセン」社という1879年に設立された古い歴史を持つコーヒー&紅茶卸の会社でマーケティング全般を統括しています。

それと同時に、彼女はヨーロッパスペシャルティコーヒー協会(以下SCAE)の理事であり、ワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)理事メンバーの一人かつWBCジャッジでもあります。

私は、幸運にもベルンで理事会のミーティングに参加する機会を頂き、その時に彼女に初めてお会いしたのですが、頭の回転が早くてきぱきと物事を進めつつ周囲への配慮も忘れない人、という印象を受けました。
私が話をしたい時も、その様子をきちんと察知して、私が話を始められるように周囲の人の話を止めてくれたり、色々と気配りをしていただきました。

周囲の評価も明るく、前向きで、スペシャルティコーヒーへの情熱を持った優秀かつパワフル!なマーケティングパーソンとして一目も二目も置かれている方です。

以前ご紹介したノルディックバリスタカップでも、彼女は設立メンバーの一人です。バリスタジャムも彼女のアイデアが元で、2001年に初めてノルウェーで開催されました。

そんな彼女はどんなキャリアの持ち主なのでしょうか?


□スペシャルティコーヒーの世界へ□

1997年初夏、現在勤めているソルバーグ&ハンセン社(以下S&H)の面接に向かいます。

それまでは約8年間、いわゆる”ドットコム”ビジネス、IT関係の仕事をしていたそうですが、コンピューターと向き合って仕事をするのに飽き飽きして、もう少し人間と向き合う仕事がしたくなったそうです。

そこで、一念発起して再度勉強を開始し、PRおよびマーケティングに関する修士過程を修了しました。

修士取得後、ガートナーグループでのマーケティング責任者として就職しそうでしたが、なかなか返事が来なかったためS&H社を受けました。
S&H社も北欧にある古い会社のご多分に漏れず、マーケティング部分が弱かったため、強化したいと考えていました。

そこへトーネさんが向かい、面接の結果、まずは6ヶ月の雇用契約という話になりました。
beansトーネさんは、最初は自分の望むキャリアではないかな、と思ったそうですが、入社して1ヶ月ほど経ち、生豆や焙煎、カッピング、バリスタという職業について学ぶにつれ、”何か”が彼女の中で起こったそうです。

そして当時バリスタ責任者であったウィリーハンセン氏と出会います。
トーネさんとハンセン氏。
ソルバーグ&ハンセン社の”新しい時代”の立役者が揃ったのです。

そして、結局、ガートナーグループのマーケティング責任者の地位を蹴って、S&H社で働き続ける事となりました。
彼女は、自分がいるべき場所はここだ、と感じたそうです。


□初めてのバリスタ大会 in Norway□

S&H社でマーケティング活動が始まります。

彼女のミッションは、いかに最終消費者であるお客様に、自分たちが飲んでいるコーヒーはS&H社のものだということを認識させ、認知度をあげるべきか、そして、スペシャルティコーヒーが普通のいわゆるコマーシャルコーヒーとどう違うのか、をどのようにして認識してもらうか、という事でした。

その時に、バリスタという職業を通して啓蒙活動を行う事を考えます。
S&H社にとっても新しい試みでした。
バリスタ責任者であるハンセン氏との二人三脚が始まります。
バリスタのトレーニングプログラムもゼロから考え、作り上げて行きました。

そして1998年2月、SCAEのクリエイティブディレクターをしているアルフ クレイマー氏のアイデアを元に、トーネさんとハンセン氏でノルウェー初のバリスタ大会を開催します。

最初のルールやスコアシートなどは、シェフの料理大会を参考に作ったものだったそうです。
そして、3人の審査員に対して、バリスタはエスプレッソ、カプチーノ、シグナチャードリンクをそれぞれ1杯ずつ用意するだけ。
審査員は同じカップからそれぞれストロー(!)を使って試飲したそうです。
もちろん翌年には様々な改善が施されました。
(確かにちょっとストローで一杯のコーヒーを飲むのは…笑)

そして1999年には初のノルディックバリスタカップが開催されます。
その時はノルウェーが優勝し、スウェーデン、デンマークと続きました。

こうしたマーケティング活動を続けていたトーネさんの活躍の場はさらに広がります。
1999年にSCAEが設立され、それに先立つこと1998年の秋、モンテカルロで開催される予定の第一回ワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)を手伝ってくれないかとの依頼を受けました。

彼女も設立メンバーの一人として、ルールや規定、審査プログラムやスコアシートなどの確立に尽力しました。
彼女も言います。「これは一人でできるような仕事じゃないわ。数多くのコーヒーを愛する人達の手でできあがっているものなの。」と。



WBC大会の設立は、彼女のスペシャルティコーヒーへの献身がますます深まって行く契機となりました。
次回は彼女がWBCについて思う事などをご紹介したいと思います。

masonbar at 20:49 │Comments(0)TrackBack(0)コーヒーピープル 

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