April 12, 2006
コーヒーピープル:ジョージ ハウエル氏(2)

先日のパート1はスターバックスによる買収後、一時、コーヒービジネスという表舞台からは姿を消すジョージさんでしたが、スペシャルティコーヒーへの追求が止まることはありませんでした。
□グルメコーヒープロジェクトへの参画□
彼は1997年にICO(International Coffee Organization)および国連機関であるITC(International Trade Center)によって立ち上げられた、プロジェクト”Gourmet Coffee Project(グルメコーヒープロジェクト)”に参画します。
スペシャルティコーヒー市場(アメリカがメイン)において、より高品質なコーヒーを提供するために数カ国のコーヒー産出国からコーヒーを見つけ出すといった内容です。
彼は、ここでスージー スピンドラーさん(Susie Spindler)というプロジェクト全体を見るマーケティングコンサルタントの女性に出会います。
2年間、彼はブラジルの人々と話し合い、コーヒー豆のサンプルをアメリカの焙煎業者や輸入業者に送り続けて反応を見ますが、反応は芳しくなかったようです。
手詰まりになった、と話していました。
農園主たちの反応もアメリカに対しては思わしくなく、またアメリカの業者たちも、現時点で何の問題もなく販売しているもの(=コーヒー)に対して、なぜ改善したり、高い値段を払わなくちゃならないんだ?との反応を示していました。
こうした難しい状況の中で、最初の救いの手を差し伸べたのが、日本の林 秀豪氏でした。林氏は、そのコーヒーに対して、米国の通常の価格よりも高い値段で買い取ってくれたそうです。
しかし、なかなかプロジェクトはうまく行かなかったのか、さまざまな批判や不満の声もあったのでしょうか。プロジェクトは打ち切りの方向へ向かいます。
□カップオブエクセレンス設立へ□
このような絶望的な瀬戸際に陥った時、ジョージさんはブラジルで国際品評会を開催することを思いつきます。
これこそ「カップオブエクセレンス」、誕生の瞬間です。
スージーさん、そしてジョージさんの師匠でもあるマルチェロさんもこの考えを気に入り実行に移しました。
350以上(!)もの農園から集めた豆を4日間にわたってカッピングし続け、10の入賞者および優勝者を選出しました。
この時に前述の林氏を含めた5人のキーパーソンも参加します。
この素晴らしい10種類のコーヒーを誰に、どうやって売るべきなのか、、ジョージさんにとってその答えは明確でした。
オークションです。
欲しい人が欲しいものに、自分が価値あると認めた相応の金額を投じるオークションがふさわしいと考え採用されました。
そして、さらに、入札者たちが平等な環境で、大きなインパクトを与えるのに理想的だと判断し、インターネットによるオークション開催を行うのです。
このスージーさんによって名付けられたカップオブエクセレンスは、現在も開催され続け、成功しています。
この成功は、販売できた、とか、農園主たちの生活が改善された、といった点だけではなく、農園主たちへのフィードバックシステムとして構築され機能している点にもあると言います。
買付した業者たちから品質や、問題点やその他様々な機会が生産者たちにフィードバックされ、生産過程の改善によってより質の高いものを生み出したり、、と良いサイクルが進むからです。
それまでのコーヒー業界は、完全なる買い手市場でした。
農園主たちはただ単に大量のコーヒーを栽培するだけで、取引市場に農園の名前、作り手の名前が表舞台に出ることはありませんでした。
しかし、このカップオブエクセレンスの活動によって、高品質なコーヒーを生み出す作り手の名前が世に知られ、国際市場での販売を通じて、自分たちのコーヒーがどのように売られるのか、どう売るべきなのか、を学びます。
そして、買付業者と対等な関係を持ち、”パートナー”として存在するようになります。
カップオブエクセレンスのカッピングルールを開発するなど、運営の基礎を作ったジョージさんは、また再度コーヒービジネスの表舞台へと戻るのです。
つづく

