April 10, 2006

コーヒーピープル:ジョージ ハウエル氏(1)

バリスタマガジンを読んでいたら、ジョージ ハウエル氏のインタビュー記事が載っていたので、その時の内容を少しご紹介したいと思います。

というのも、先日からカップオブエクセレンスのコーヒーを飲んだ感想を書いたりしていましたが、このジョージハウエルさん(以下GH)は、カップオブエクセレンスを創設した立役者の一人です。

そして、昨年のワールドバリスタチャンピオンシップ優勝者が使っていたエスプレッソコーヒーを提供した人物でもあります。

2回ほどに分けて(記事も長かったし)、ご紹介させていただこうと思います。


**コーヒー業界に入るきっかけ**

もともとイエール大学では、メキシコ先住民のウイチョル族芸術などを専攻していたジョージさんです。コーヒーとは全く無縁といってもいい状況でした。
1968年頃に東海岸から西海岸側に引越してきた時ピーツコーヒーの1号店となる店があったそうです。その店の前には昼の2時だというのに大勢の人が手に陶器製のコーヒーカップ(当時は紙コップではなく、陶器製が普通だったそうです)を持ちながら楽しそうに飲んでいて、さながらパーティのような賑やかさだったとか。

好奇心から飲んでみると、すぐに虜に。
当時はまだメキシコ芸術の紹介活動などをしていたそうですが、生計を立てるのが難しくなったため二人の子供を連れて家族4人で1974年に東海岸マサチューセッツ州はボストンに移転します。

ボストンのハーバード大学にもほど近いハーバードスクエアという場所に、初めての自分たちのコーヒーハウス”Coffee Connection”をオープンします。

今でこそジョージさんは、スペシャルティコーヒー業界では知らない人はいないというぐらい非常に有名で高い評価と尊敬を受けている方です。(重鎮?長老?とでも言って良い方ですね、きっと)
しかし、そんな彼もオープン当時、コーヒービジネスについて何も知らなかった、と。あるのは堅い決意だけだったと話しています。

しかし当時のアメリカは西海岸では高品質のコーヒーが少しずつで回り始めてましたが、東海岸側はまだまだで大きなチャンスだと思ったそうです。

コーヒーハウスをオープンし、同時に自分たちで焙煎も始めます。
これが後の成功への大事なステップともなります。


**コーヒーハウスの成功と色々な試み**

オープンするやいなや、彼らのコーヒーハウス”Coffee Connection”は、マスコミから多くの注目を集めるようになります。

ジョージさん曰く「意識していなかっただろうけれど、(アメリカの)人々はおいしいコーヒーに飢えていたんだと思う。」
「おいしいコーヒーを提供すると、お客様は私達に感謝してくれた。だからお店へのロイヤルティ(忠誠心)を持ってくれるかどうかなんて心配しなかったよ。」と。

しかし、これは別に幸運だったからではない、とも言います。
「もちろん、僕たちには決意があったからね。本物の質を持ったコーヒーを提供するという使命をもっていたから。」

そして、その当時、どの店もしていなかった、フレンチプレスでコーヒーを出す(すばらしい!)、全てのコーヒーを入れた瓶、コーヒー袋に焙煎日を記載するということを行ったそうです。
さらにはセミナーや記事を書いたりなどなど、様々な活動を通してお客様へコーヒーを提供していました。

でもこの頃はまだエスプレッソへの需要は全くと言っていい程なく、オープン初日からエスプレッソマシン(家庭用!)を設置していたものの、オーダーはほぼ”ゼロ”だったそうです。
世界チャンピオンが使ったエスプレッソを提供した人物の店が当初はエスプレッソゼロだったとは、面白いですよね!

しかし1980年代後半に西海岸を再度訪れたジョージさんは、スターバックスが提供するエスプレッソをベースにアレンジした飲み物が、今後は”来る!”と確信し、自社でも提供するようになりました。

ボストンや東海岸で成功したジョージさんの”Coffee Connection”ですが、次第にこうしたドリンクがメインとなり始めた業界から、彼の興味はコーヒー豆そのものに移り始めます。

そして1994年、スターバックスによる買収を受けます。
この時の買収は結構なインパクトを業界に与えたようですが、ジョージさんによると「人々が想像するほど衝撃的なものではなかった」そうです。

こうして自社を売り渡すと、ジョージさんはコーヒーの表舞台から2、3年、姿を消します。
その間コンサルタントとして活躍するなど、アメリカスペシャルティコーヒー協会や国連の活動とのつながりが強くなります。

それがカップオブエクセレンス誕生のきっかけともなり、彼のコーヒー農園やコーヒー豆そのものに対する考えもより深まっていく契機にもなっていきます。


*ちなみに余談ですが、スターバックスのフラペチーノシリーズは、このジョージさんのCoffee Connectionで開発に失敗したものを再度、スターバックスで開発し大ヒット商品となったそうです。
これは、スターバックスとしても初めての本格的なドリンク開発だったそうです。世の中って何が起こるか本当に分かりませんね。


masonbar at 23:51 │Comments(0)TrackBack(0)コーヒーピープル 

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