February 21, 2006

カッピングの話 その2

d66e0dd9.JPG先日、カッピングの手順についてお話しましたが、今日はスペシャルティコーヒーがカッピングを通して、どう評価されるかをご紹介したいと思います。


●どう違う?従来の方法とスペシャルティーの方法

従来のコーヒーのカッピングとは「欠点チェック方式」と言われており、幾つ物コーヒーを矢継ぎ早に口に入れてチェックし、違和感を覚えた物を弾き出すという方法です。
スペシャルティーのカッピングは従来の欠点チェック方式に加え、「風味の際立つ特徴、美味しさ、印象度を評価する」方式です。
この方式の歴史はそれほど長くなく、1990年代にアメリカで導入されました。
そして欧州でも同時期に導入され、各国で試行錯誤を繰り返し今の方法に向けて完備されていったのです。

●どんな項目を評価するの?

カッピングには幾つかの評価方法があります。
今日はその中でも「COE方式」(Cup of excellence)について解説します。
このCOE方式はジョージ・ハウエル氏により考案され、主に生産国で使用されています。

前提→COE方式ではまず「欠点」があると失格となり、はじかれてしまいます。
 
<評価項目>

(1) Clean Cup:カップクオリティのきれいさ

これはコーヒーの味覚面でのきれいさを表します。
Cleanとはコーヒーに汚れや雑味がなく、透明感があることを指します。
水っぽい事とは違います。
このCleanさが無いと地域毎の特性がわからなくなります。
スペシャルティーコーヒーとその他のコーヒーを見分ける大きなポイントだとされています。

(2) Sweetnes:甘さ

これは文字通り甘さを表します。
収穫時のコーヒーチェリーが熟度良く、均一に熟していたかどうかがわかります。
これは焙煎で生じる「糖度の量」をだけを言っているのではありません。
コーヒーに汚れ、刺すような酸味、雑味などがあると、糖度が高くても甘さを感じることができません。

(3) Acidity:酸味の特徴

酸味の特徴評価を現します。
これは「酸の強さ」を評価するものではありません。あくまで「質」を評価します。
COE方式では一切強さを評価しません。
質が高い酸味とは「明るい」「爽やかな」「繊細な」酸味を言います。
逆に質の低い酸味とは「刺激的な」「刺すような」「不快な」酸味を言います。

(4) Mouthfeel:口に含んだ質感

これは質感と言って、いわゆる「コク」を表します。
以前は「Body(ボディ)」と表現していましたが、わかりやすいようにこの言葉が作られました。
質感とは「粘り気」「密度」「濃さ」「重さ」「滑らかさ」「口全体での感触」などが評価されます。
ちなみに「量感」は質感と違います。「量感」に気をとられると「不快なザラツキ」「汚れ」そして「渋み」を質感と勘違いしてしまいます。
このMouthfeelはスペシャルティーコーヒーの中でも最も難しい評価項目とされています。
 
(5) Flavor:風味の特性とプロフィール

このFlavorがスペシャルティーコーヒーとその他のコーヒーを区別する最も重要な項目です。
これは味と香りの組み合わせを指します。
Flavorはその豆の「栽培地域・土地の固有な特徴=【テロワール】」を感じることができます。
ただし正しくテロワールを感じるためには、栽培・手入れ・収穫・回収・生産・精選・運搬・焙煎・抽出などの工程が正しく行われていないといけません。
風味の特性プロフィールは様々な言葉で具体的に表現します。
 
「Bitter Chocolate」・・・ビターチョコレートのようなほろ苦い甘味
「Floral」・・・花の香りのような
「Spicy」・・・スパイスの効いた
特性プロフィールはこれ以上に何十、何百と存在します。

(6) Aftertaste:後味の印象

コーヒーを飲み込んだ後で持続する風味の印象。
これは飲み干した後に鼻管を伝わって嗅覚が感じる香りの特性を評価します。
例えばコーヒーを飲み込んだ後のコーヒー感が「甘さの感覚で消えていく」のか「嫌な感覚が滲み出てくる」のかが良し悪しの違いです。

(7) Balance:ハーモニー・均衡性

コーヒーの風味の調和はとれているか、何か突出し過ぎるものはないか、反対に欠け過ぎているものはないか。
心地よいハーモニー、均衡性を評価します。

(8) Overall:総合点

総合点とは「風味の複雑さ」「立体感」「心地よいコーヒーか」「カッパーの好みか」を評価します。
この項目は8評価の中で唯一、個人の好き嫌いを表します。

以上の8項目を評価したものに36点を係数でプラスしたものが評価点数になります。
満点は100点で、80点以上でなければスペシャルティーとは認められず、次の評価には進めません。

「香り」「臭い」についての評価は、挽いた直後の状態「ドライ」、湯を注いだ直後から3分間の状態「クラスト」、3分後に3回攪拌した状態「ブレーク」で評価します。
ただし、この3項目は点数には加えられません。


こういった多くの項目を使用し、たくさんのプロフェッショナルなカッパー達が厳格に審査したものが「Cup of excellence」なのです。
カッピング技術の向上は、農地の人々が優良で高品質なコーヒー豆を育成する文化の醸成を助け、私達が美味しいコーヒーを手に出来る機会を増やすために役立っています。
スペシャルティーコーヒーのカッピングを行う人々は、素晴らしいコーヒー文化育成のため、厳格で公平・公正な審査を日々行っているのです。


今日はちょっと長くなってしまいましたが、スペシャルティコーヒーに限らず、コーヒーにとってカッピングは本当に大事な作業です。
カッピングの話をしていると生産者や焙煎者、買付担当者たちの話は止まらなくなります。みんな楽しくて仕方ない、って様子で色々な事を教えてくれます。
そして、何度話をしても聞いても、改めて、コーヒーって奥が深い、、ということに気付かされ、また一段とはまっていってしまうのです(笑)

masonbar at 00:48 │Comments(0)TrackBack(0)コーヒーについて 

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